応用言語学>序章 応用言語学とは何か

序章 応用言語学とは何か

 応用言語学は、その言葉の通りに解釈すると、言語学を応用する学問となります。実際、応用言語学は、外国語教育に言語学の知見を応用する学問として生まれました。しかし、様々な学問の進歩に伴い、外国語教育を改善するということにおいて、言語学以外の学問が重要になってきました。最初に重要性を増したのは、心理学です。昔から心理学は教育全般の基礎科学として位置づけられており、教育に対して多大な影響を与えて来ましたから、当然と言えば、当然です。大学で教職科目を取った人は、必ず教育心理学や青年心理学が必修科目の中に含まれていたはずです。しかし、1990年以降、脳の生理学的研究が進歩し、生理心理学が長足の進歩を遂げました。生理心理学は、生理学と心理学の学際領域です。脳の生理的なメカニズムのみを研究する場合は、生理学なのですが、その精神機能と関連づけて研究する場合、生理心理学となります。そのような生理心理学が大幅な進歩をしたのが、1990年以降なのです。当然、脳の働きは、教育と深い関連がありますので、言語教育に大きな影響を与えてきています。現代の応用言語学は、これらの学問、すなわち、生理心理学を含む心理学と言語学などを応用する学問となっています。
2008年2月19日


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